◆ 誘拐 ◆






 薄暗い雑木林の中、甲高い悲鳴が響き渡る。宇高多城を後にして半日ほど経ったであろうか。忍のみが知る道を逃れてきた事も手伝って、追っ手の姿は見られない。
「は〜な〜せ〜!!!離さぬか!!無礼者!!…!!」
 赤目影虎の命を受け、一条よりさらってきた姫は事のほか肩の上で煩くわめき立てていた。担ぎ上げていた姫の身体を草の上に放り出す。いきなり放り出された驚きと地面に打ち付けられた痛みから姫は短い悲鳴を上げた。見下ろすゴウの視線から逃れるようにじりじりと後ずさる。背後の杉の木に背中を押し付けゴウを睨みつける。
「ったく…煩い姫様だ…。赤目の報酬では割に合わんな─────。」
 ゴウの手が腰に下げられた鍵縄にかかる。
「…何を───…」
 姫の言葉よりも早く手首をつかみ縛り上げる。手首を縛り上げた縄の端を姫が背中を預けていた木の幹にくくりつける。口元を僅かに上げゴウが満足げに微笑んだ。
「足りない分の報酬を…頂こうかと思って…な。」
 ゴウの言葉にこれから何をされるのかを察し、姫の顔色が変わる。腰に回るゴウの手が帯を解く。
「いや…嫌じゃ!!触るな!!離せ…っ…汚らわしい!!それ以上触れれば舌を噛むぞ!!」
 抵抗する姫の身体を押し倒し、着物をはだけさせる。白い肌が昼でも尚暗い雑木林の中に浮かび上がる。
「舌を噛まれるのは困るな…」
 そう言いながら姫の顎をつかみ口を開かせる。解いた着物の帯の端を口に押し込んだ。
「何…大人しくしてれば…すぐに済む…恨むなら…赤目を恨むんだな────…」
 姫の口からくぐもった呻き声が僅かに漏れた。



 ゴウの手が小振りな乳房を乱暴に鷲づかみにする。怯えきった姫の身体の震えが指先から伝わって来る。含み笑いを漏らしながら姫の胸元に顔を寄せ、薄桃色の乳首を舌先で弄ぶ。濡れた音を立てて乳首をしゃぶりながらゴウが呟いた。
「…開けよ…脚…」
 頭上に縛り付けられた両手をきつく握り締め、ゴウの言葉を拒むようにぴったりと膝を寄せる。姫の反応に弄んでいた乳首から唇を離す。
「ふん…ちょっとは優しくしてやろうかと思ったんだがな…気が変わった────…」
 襟元に巻いていた覆面を解き、硬く閉じたままの姫の両足を持ち上げる。
「ん…!んんんっっ!!!」
 驚き、呻き声を漏らす姫をよそに、襟元に巻いていた布で太股を縛りつけた。足を閉じたまま身体をくの字に折り曲げられ、穢れの無い秘部がさらされる。唾液で濡らした指先で露になった割れ目をなぞる。
「綺麗な色だな…大名の姫様ってのは皆こうなのか…?」
 花弁のようなそれを開かせ、唾液に濡れテラテラと光る肉芽を指で弾く。片手で姫の脚を押さえ付けたまま、硬く張り詰め、袴の下に押さえつけられていた自身のモノを解放する。袴をはだけると勢い良く頭をもたげた肉棒が現れた。唾液を塗りつけただけの秘裂に肉棒の先端を押し付ける。
「…んぅ…っ…!」
 熱く脈打つゴウのモノを押し付けられ、姫が呻き声を漏らす。大粒の涙をこぼしながら弱々しく首を横に振る様は、僅かな抵抗のようにも、許しを請うようにも見えた。姫の表情を眺めるゴウの口元に薄っすらと笑みが浮かぶ。太股に添えられていた手が小さな膝頭をつかむ。
「いくぜ────…」
 強引に腰を推し進め、ゴウを拒むように収縮する肉壁をじりじりと押し広げながら、肉棒をねじ込んでいく。奥深くまで押し込まれた肉棒が脈打つ度に姫の身体の芯に痛みが走る。
「狭いな…慣れてないだけか…それとも────…」
 奥までねじ込んだ肉棒をゆっくり引き抜くと、限界まで押し広げられた秘裂から一筋、鮮血が赤い糸のように滴り落ちた。再び腰を押し付け深く繋がり合う。
「初めて…か…大人しくしてれば…もっと優しくしてやったんだぜ…?なぁ…姫様よ…?」
 腰を前後させながら、からかうような口調で言い放つゴウをきつく睨みつける。犯されながらも未だ言いなりになろうとしない姫に多少の苛立ちを覚え深く突き上げた。
「ぅぐ…っ!!」
 覆いかぶさってくるゴウの身体が、僅かに木々の間から漏れる薄明かりを遮る。姫の両脇に手を付き、冷たい笑みを浮かべながら呟いた。
「蛮族共相手なら…この程度じゃ済まないだろうなぁ…」
 言葉の意味が理解できなかったのか、姫の怪訝そうな視線がゴウに向けられる。
「事が終わったら…このままここに置き去りにしてもいいんだぜ…?このあたりは蛮族共もうろついてるからな…奴らに拾われた後の事は知らないぜ…」
 ゴウの言葉に姫の顔からみるみる血の気が引いていく。
「赤目には…そうだな…あんたには逃げられたとでも報告しておくさ…」
「ん…!んっ!!んんんっっ!!!」
 首を横に振りながら姫が何がしか呻いた。口に帯を押し込まれたままでは言葉になるはずも無かった。
「そうわめくな…すぐ済ませてやるから…その後の事は知らんがな────…」
 ゴウの言葉に涙を浮かべ、なおも首を横に振る。既に逆らう意志の失せた姫の視線は、すがるような色を含み始めていた。口に噛ませていた帯を外し、問い掛けた。
「────…俺の言う事…聞くか…?」
 ゴウの問いに微かに首を縦に振る。
「言えよ…ちゃんと俺の言う事聞くのか…?それとも────…」
「する…から…お主の言うとおりにするから…置いて…行かないで────…」
 消え入りそうな声で呟く姫を、満足げな笑みを浮かべて見下ろす。
「────…いい子だ…」



「んっ…く…ぅ…っ…!こ…これで…良いのか…?」
 手首を縛られたまま身体を反転させられていた。太股を縛り付けていた布は解かれ、大きく脚を開きゴウに尻を突き出す。腰をくねらせる度、肉棒をねじこまれた秘裂が濡れた音を立てる。
「下手くそだな…それじゃいつまで経っても俺は満足出来そうに無いぞ…そら…手伝ってやろう…」
 汗ばむ姫の腰に手を添え、ゆっくりと腰を前後させる。慣れてきたとはいえ、初めて男を受け入れる姫にとってそれは苦痛以外の何ものでもなかった。
「あっ…!…っ…い…や…じゃぁ…っ…!鴉…ぅ…っ…痛…ぃ…っ────…!!」
 姫の言葉など耳を貸さずに、痛みから逃れようとする腰をつかみ、なおも激しく腰を打ちつけていく。
「ふん…痛いだけか…?だったら────…」
 言葉を区切り、ゆっくりと腰を引く。限界まで広げられた秘裂から、半分ほど肉棒が引き抜かれる。
「このヌルヌルしたのは何だ…?ん…?」
 含み笑いを漏らしながら、肉棒に絡みつく透明な粘液を指でなぞる。ゴウの言葉に反応して、肉棒をくわえ込む秘裂がきつく締まる。
「い…や…っ…嫌じゃ…!そっ…そのような事…言うな…っ…あっ…あぁっ!!」
 ゆっくりと押し込まれる肉棒の感触に、たまらず姫の唇から甘い喘ぎが漏れる。
「俺を『汚らわしい』と言ったな…どんな気分だ…?『汚らわしい』男を…くわえ込んだ気分は…」
「…や…っ…はぁ…んっ!!…あぅ…あ…っ────…」
 肉棒の抜き差しが、それまでの乱暴な動きから、じっくりと膣内を舐め上げるようなそれに変わる。
 姫の尻をきつくつかみ、腰を引く。奥まで押し込まれた肉棒を逃すまいと、肉壁がきつく締め付けてくる。ズルリと愛液にぬめる肉棒が引き抜かれ、再び奥深くまで繋がり合う。
「どうなんだ…?答えろよ────…」
「いや…じゃ…ぁ…っ…!や…めて…っ…や…ぁ…っ…!!ひっ…あひっ…!!」
 二度、三度とゆっくりとした抜き差しを繰り返すと、姫は呆気なく果てた。ヒクヒクと収縮する肉壁の感触にゴウの下腹部も疼き始める。ギリギリまで肉棒を引き抜き、一気に根元まで押し込む。
「あぅ…っ…!あぁ…っ…ひ…ぃ…っ…!!い…っ…いぃ…っ!!」
 全身が貫かれるような衝撃に抑える事を忘れた喘ぎがもれる。尻をつかむゴウの手に、ビクビクと痙攣する感触が伝わって来る。
「そんなに大きな声を出すな…蛮族共に聞きつけられたいのか…?」
「っ…突か…ない…で…ぇ…っ…!こ…え…っ…声が…でちゃ…うぅ…っ!!ぅ…っ…くぁ…っ…あっ…あっ…!!!」
 肉棒が一際大きく膨らみ、爆ぜた。膣内を熱い粘液が満たしていく。

 ようやく膣内から肉棒が引き抜かれ、支えを失った姫の身体が草むらの上にぐったりと横たわる。露になったままの秘裂から、白濁した粘液がドロリと溢れ出す。手首を縛っていた縄が解かれた。髪をつかまれ顔を上げさせられた。目の前に粘液にまみれた肉棒を押し付けられる
「しゃぶれよ…」
「…ふ…ぁ…────…」
 ゴウの言葉に従い、萎えた肉棒を口中に含む。舌全体を使って丹念に舐め上げていく。
「舐め終わったら…赤目に届けてやるさ────…」
 下腹部で蠢く姫の頭を押さえ付け、口中深く肉棒をくわえ込ませた。



「随分と遅かったではないか」
 鴉のゴウが姫を連れ帰ったとの報せに、赤目影虎は語気粗く言い放った。
「一条め…今頃どんな顔をしておる事やら…。何をしておる。姫をここへ連れて来ぬか」
「それが…その…」
 報せを告げた兵が明らかに狼狽していた。
「何じゃ…?早ようせぬか」
 部屋に通された姫の姿を見て影虎は愕然とした。乱れた髪と薄汚れた着物。何があったのかは容易に推し量る事ができた。
「おのれ…鴉め…っっ!!!」
 勢いよく立ち上がり足元の小引き出しを蹴り飛ばした。

「このワシを馬鹿にしおって…見ておれ…目に物見せてくれるわい…」




◆終◆




 前回の「蜜約」でのゴウの不始末の尻拭いをするキヌタン、ゴウの不手際と言うのが「米盗んだから」というのがあんまりだったので誘拐してきた姫様をレイープしてから赤目様に渡すのはどうでしょうかとか思いつつ書いてみたり。
 赤目様はあれですね。さらって来た姫様のヲハツを頂くのを楽しみにしてらしたんだと思いますです。はい。そりゃあんだけズボズボにやっちゃったら怒るわな…。この後姫様はゴウの身体が忘れられずに悶々とした日々を送るのでありましたとさ。めでたしめでたし。