◆オシオキ◆
力丸×彩女編






 先刻まで力丸の手首を拘束していた縄が彩女の手首にからみつく。縄の端は普段忍具を並べておく棚の支柱に結わえ付けられていた。やたらと頑丈な造りのそれは少々の事ではびくともしない。
 元々は彩女が「オシオキ」と称して力丸を縛りつけ弄んでいたのだが────…。



「え…っ…!?」
 いきなりの事にうろたえる彩女を見て力丸がほくそ笑む。
「当然…一回じゃ満足できないだろ…?幸いここは忍具小屋…回復には困らないし…あぁ…そう言えば…試した事の無い忍具が────…」
 言いながら手近にあった薬瓶を取り上げ口に含む。いつもならそこにある筈の無い忍具ではあった。が、今日に限っては勝手が違っていた。先の任務に赴く際、慌てて忍具をかき集めた彩女によって散らかり放題の棚である。入り乱れた忍具の中、力丸がそれを取り上げた。
「ちょ…っ…!!それ超命─────…!!!」
 力丸が口にした薬瓶を見てはっとした。未だ繋がりあった箇所がビクンと大きく脈打つ。
「あぅ…っ!!!」
 彩女の唇から思わず声が漏れた。先刻果てた筈の力丸のモノが再び硬くなり、きつく収縮する肉壁を押し広げる。膣をいっぱいに満たし熱く脈打つ肉棒は、達したばかりの彩女の身体を過剰なまでに刺激する。
「…っ…や…っ…!もぉダメ────っ…」
 逃れようとする彩女の腰を力丸の手が引き寄せる。
「先刻のが…オシオキだって言うんなら…お前にも心当たりがあるんじゃないのか…?」
「心当たりって…なに────っ…んくっ…!!」
 力無く力丸にもたれかかり、甘い吐息を漏らす彩女の耳元で囁いた。
「偽の情報で…あちこち走り回っていたのはどこのくのいちだ…?ん…?」
 どこかからかうような口調で言い、舌先で耳たぶをなぞる。力丸の舌が立てる濡れた音が耳の奥にいやらしく響く。
「や…だぁ…っ…!!」
 与えられる刺激に耐えかね、力丸の腕を押し退け腰を浮かせる。ゆっくりと彩女の中から愛液にまみれた肉棒が引き抜かれる。ぱっくりと口を開いた秘裂から膣内を満たしていた精液が溢れる。超命丹の作用で未だはちきれんばかりに膨らんだまま天を仰いでいる肉棒に、溢れた精液がねっとりと糸を引きながら落ちる。
「─────お前だって…そうしたくせに…」




 上気し潤んだ瞳が力丸を睨みつける。偽の情報をつかまされたのが力丸だったなら…同じように力丸も彩女を助けに向かっただろう。彩女の言葉に力丸の表情が僅かに緩む。
「俺がそうしたとしても─────…お前が同じように助けに来る必要は無い」
 冷たく言い放つ力丸の言葉に彩女は唇を噛んだ。
「おとなしくここで待っていればいい…」
 彩女が首を横に振る。結い上げた髪が微かにサラサラと音を立てる。
「─────…嫌だ…もう…一人で待つのは嫌───…あっ…!!」
 指先で内腿を撫でられ腰を浮かせるために立てた膝から一瞬力が失せた。再び繋がりあえば力丸にいいようにされるのは目に見えている。僅かに身を捩り抵抗する。熱を帯びた力丸のモノが秘裂を逸れ、蕾に触れた
「言う事聞かないくのいちには…オシオキが必要だな…」
「りき…まる…!?」
 力丸の指先が彩女の内腿を辿り秘裂へと辿り着く。花芯へと指を滑り込ませ、ニチャニチャと音を立てて掻き混ぜる。
「や…っ…!りき…ま…るぅ…っ!!ひ…っ…───!!」
 腰をくねらせ力丸の指から逃れようとする。それがかえって蕾へと迎え入れる手助けになった。粘液で十分なほどぬるついた先端は容易にそこをこじ開ける。
「ほら…ちゃんと腰を浮かせてないと───…入るぞ…?」
 彩女が弱々しく首を横に振る。震える唇は僅かに『いや』と動くが言葉にはならなかった。拘束されたままの両手首は力丸の着衣の袖をきつく握りしめている。
 両の手首に簡単に結わえられただけの拘束は、抜けようと思えば何時でも抜けられる…その程度のものであった。けれど力丸の指が蠢く度、彩女の身体から力が抜け、その程度の拘束ですら解けずにいた。花芯を掻き混ぜる指が二本に増やされ彩女の腰が更に落ちる。
「ひぃ…っ…あ…うぅ…っ…!!」
 蕾を押し広げ雁首がねじ込まれる痛みに声を漏らす。蕾に与えられる痛みと、花芯を掻き混ぜられる快楽とがない交ぜになって彩女を攻め上げる。力無くうなだれ、力丸の肩に額を押し付け身体を震わせる。
「痛い…か…?彩女───…」
「…っ…決まってる…だろ…っ…こんなの…嫌───…っ…!!!」
 切れ切れに応える彩女の言葉に力丸がほくそ笑む。
「オシオキ…だからな───…」
 力丸の手が彩女の乳房をやんわりとまさぐる。着衣の上からでもそれと判るほどに、ぷっくりと膨らんだ乳首をつまみ、指先に力を込める。着衣越しのもどかしい感触に彩女の唇から僅かに声が漏れた。乳房を弄ぶ手から逃れようと身を起こす。
「んぅ…っ…あ…っ───…!」
 肉棒がゆっくりと蕾に飲み込まれていく。雁首までくわえ込まれたソレは、愛液と精液にまみれている事も手伝って蕾を傷つける事無く彩女の内側に押し入って来る。
「や…ぁ…!!り…き…まるぅ…───…」
 受け入れる事を拒むように彩女の蕾は力丸のモノをきつく締め付ける。粘液によって挿入が容易になっているとは言え、先の超命丹の作用で一向に萎える気配の無いソレは容赦無く痛みを与える。肉棒が熱く脈打つ度に、蕾からじわじわと彩女の全身に痛みが走る。
 肉壁を隔てて自身のモノが呑み込まれて行く感触が、花芯に挿入したままの指先に伝わって来る。力丸の指が再び膣内を掻き混ぜる。始めはゆっくりと、徐々に速くなる抜き差しに彩女の膝がガクガクと震え始める。
「あふっ…!!…っ…ぁ…!やめ…っ…りき────…あ…はぁ…っ!!入っちゃう…っ…オ…ク…───奥まで──────…!!」
 花芯が力丸の指をきつく締め付ける。あぐらをかいた膝の上に彩女の重さがかかる。肉壁を隔てて脈打つ自身の肉棒の感触を確かめるように、花芯にねじ込んだままの指でなぞる。
「奥まで…くわえ込んだぞ…?」




 彩女の耳元で囁き、ゆっくりと膣内から指を引き抜く。彩女の滴らせる愛液が指を汚すだけでなく掌まで濡らしていた。
「さっきとは…比べ物にならないくらい濡れてるな…」
 言いながら彩女の前に濡れた指先をかざす。恥ずかしさから彩女の頬に赤みが差す。
「きれいに…してくれないか…?」
 言われるままに彩女が唇を開き、口中に指を迎え入れる。力丸の視線を感じながら愛液にまみれ、ふやけた指を一本ずつ丹念にしゃぶり、掌を舐め上げる。
「───…直に…触って…」
 上衣をまくり上げ、力丸の前に乳房を晒す。力丸の指を執拗に舐めながらもう片方の手を胸元へと誘う。しっとりと汗ばむ乳房をやんわりと揉まれ彩女の唇から微かに吐息が漏れる。舌を這わせていた力丸の掌から唇を離す。
 力丸の腕が彩女の腰を抱き寄せる。彩女の唾液に濡れた指先が尻の割れ目をなぞり、肉棒をくわえ込む蕾に触れた。
「力丸…キツイ…よぉ…も…やめ───…っ…あ…あぁ…っ!!!」
 ねっとりと乳首を舐め上げる舌の感触に言葉が途切れた。彩女に聴かせる様に濡れた音を立てながら吸い軽く歯を立てる。力丸を拒む言葉が徐々に甘い喘ぎ声に変わる。
「止めて欲しいなら…ちゃんと…言う事があるだろう…?」
 彩女の手首を拘束していた縄が解かれた。床に押し倒される。身体を支えている必要が無くなった事で、幾分か楽にはなったが、未だ力丸のモノと繋がり合っている痛みに変わりは無い。
「言う…事…?───…っ…んっ…!!」
 ゆっくりと彩女の中から肉棒が引き抜かれる。雁首まで引き抜いた所で力丸が動きを止める。
「───…『ごめんなさい』…は?」
 力丸の言葉に上気した彩女の頬が更に赤くなる。
「だっ…誰がそんな事言うかっっっ!!!だっ…大体っ…お前だって───…ひゃっ!!」
 下腹部に冷たいモノが浴びせられた。いつの間に手にしたのか力丸の手に見覚えのある薬瓶が握られていた。空になった容器が軽い音を立てて床に落ちる。
「りき…まる…?何…?何し───…っ…あっ…!!!」
 下腹部から秘裂に零れ落ちる冷たい感触が、一変してひりつくような熱さに変わる。力丸が腰を押し進め再び深く彩女と繋がり合う。薬液にまみれた肉棒が柔らかな粘膜を擦り上げる。二度、三度と抜き差しが繰り返される度、徐々に痛みが薄れていく。
「ひぅ…っ…!りき…ま…るぅ…っ…!!やぁ…あっ…あひぃ…っ!!」
 花芯から溢れる愛液が蕾に滴り落ち、肉棒が抜き差しされる度にニチャニチャといやらしい音を立てる。拒んでいた筈の声も、力丸を求める甘い喘ぎに変わる。
「ほら───…言えよ…」
「…っ…言ったら…やめ…て…くれるの…?こんな…はっ…恥ずかしぃ…こと───…」
 彩女を促す力丸の声に、僅かに声を震わせながら応える。
 「恥ずかしいのか…?」
 引き抜いた肉棒をゆっくりと奥まで押し込む。手の甲を唇に押し当て、声を漏らすまいと彩女が必死に堪える
「はぁ…っ…恥ずかし…ぃ…よぉ…っ…お尻に…入れられて…もぉ…イキそう…なんて───…」
 力丸から視線を逸らし、切れ切れに呟く。




「じゃぁ…イカなくても良いのか…?ずっとこのままだぞ?」
 いつもの…焦らす時のような口調で問いかけながら、掌で彩女の下腹部を撫でる。茂みを分け、滑り込ませた親指で肉芽を探る。薬液の作用でひりついた箇所を刺激され、彩女の身体がビクンと跳ねた。
「あっ!!ひぃ…っ…!だめ…っ…だめぇっ!!あっ…あぁ───…」
 彩女が達する寸前で指の動きが止まる。唇を噛み、濡れた瞳で力丸を睨みつける。
「言ったら…続けてやっても良いぞ…?それとも自分でするか…?」
弱々しく首を横に振り、彩女が消え入りそうな声で呟いた。
「──────…ごめん…なさ…い…」
 彩女の言葉に満足げに力丸が微笑む。再び肉芽を刺激する。ヌルヌルと滑る指の腹で押し潰すように転がす。彩女の膝を持ち上げ乳房に押しつけながら蕾への抜き差しを繰り返す。窮屈な姿勢を強いられる事がかえって彩女を昂ぶらせる。抑える事を忘れた喘ぎ声が途切れる事無く唇から漏れる。
「あぁ…っ…りき───…っ…ひぅ…っ!!くぅ……っ…あっ…あぁ───…」
「良い声だな…『イヤ』…じゃなかったのか…?」
 力丸の言葉に首を横に振る。
「…っ…いぃ…力丸に…なら…何されたって構わない───…」
 虚ろな表情でつぶやく彩女に、力丸が微かに含み笑いを漏らす。
「それじゃぁ…オシオキにならないな───…」
 力丸の腰が再び彩女の尻に激しく打ちつけられる。繋がり合った力丸自身も流石に限界を迎えようとしていた。うわ言のように力丸の名を呼び続ける彩女の声がそれに拍車をかける。
「りき…ま…る…っ…!あぁっ…っ…もぉ───…」
 彩女が達するのと同時に肉棒が引き抜かれ、熱を帯び汗ばむ肌に温い粘液が勢い良く解き放たれた。荒くなる息遣いに彩女の肌が波打つ。力丸のモノが最後の一滴まで精液を吐き出そうと彩女の下腹部で蠢いた。




「あれでも羽織っておくか…?」
 僅かに肌を覆っていただけの彩女の着物を脱がせ、精液にまみれた身体を丹念に拭ってやる。何か代わりに着せてやるものが無いかと忍具の並んでいる棚を振り返った。視線の先には変化の術の際に使う着物があった。立ち上がろうとすると彩女が力丸の袖口を引いた。
「これでいい…脱いで…」
「───…汗臭いぞ…」
 少し躊躇しながらも彩女の言葉に応じ、上衣を脱ぎ手渡す。力丸のそれは彩女にはかなりだぶついてはいるが、風呂に行くまでにまとうには別段不自由は無い。
「いいよ…お前の汗の匂い…好きだから」
 着物をまとい力丸にもたれかかる。厚い胸板に彩女の吐息がかかる。柔らかな唇が汗ばむ肌に口づける。
「こら…もういいだろう…早く風呂に行け」
 彩女の頭を優しく撫でながら囁く。
「ん…?誰かさんのキツいオシオキのせいで…動けそうも無いから風呂まで連れてっとくれよ…」
 耳元に力丸の鼓動を感じながら、少し甘えた声で呟いた。
「───…良いぞ…」
 力丸の手が彩女の肩に優しく触れる。次の瞬間彩女の身体がふわりと宙に浮く。
「───…!?ち…ちょっとちょっと!!ちょっと!!!」
 抱き上げられる…と言うよりも担がれると言った方が正しい。彩女の身体は軽々と力丸の肩の上に担ぎ上げられていた。
「だっこは嫌だと言っていただろう?おんぶでは尻が丸見えになりそうだしな…」
「だっ…だからってこんな運び方無いだろ!!もぉ───っ!!!」
 じたばたともがく彩女の太股を力丸の手が撫でる。
「あん…!ちょっ…りき…───…」
 太股を撫でていた手がスルスルと這い上がり、着物の裾をまくり上げやんわりと尻を撫でる。
「動けないんだろ?風呂まで連れてってやるから大人しくしてろ」