螺旋 【第一話】




 厚い雲が月明かりを遮っていた。


 双葉の放った弓が頬を掠め、一瞬気が逸れた。単葉の拳が鳩尾にヒットする。凛の華奢な体が宙を舞い、冷たい
石畳にうつ伏せに叩き付けられた。
「ぐ…っ!」
 苦痛に顔を歪め、体を起こそうとするが、単葉との戦闘で力を使い果たした凛には、既に立ち上がる力は無かった。
「様ぁ無いねぇ…凛…」
 単葉の背後から双葉が歩み寄る。凛の傍らに膝を付き、口許に笑みを浮かべ見下ろす。
「ふた…ば…っ…」
 唇を噛み睨み返す。双葉の顔から笑みが消える。
「…嫌いなんだよねぇ…あんたのそういう目が…」
 凛の髪を掴み、乱暴に引き起こす。
「殺すなよ…」
「わかってるよ…重蔵に言われてなけりゃ…今ここで…」
 制止する単葉を舌打ちして睨む。
「…殺さなきゃいいんだろ…。…殺さなきゃ、ね…。」




 双葉の手が凛の着物の袷に掛かる。
「凛…あんた…まだ知らないんだろ?男の味…」
 耳元で呟くと着物を一気に引き下ろす。凛の、あまり豊かでない胸のふくらみが露になる。
「あ…っ…」
 凛の顔が羞恥に赤くなる。
「教えといてやろうか…?」
 表情一つ変えずに双葉の行為を眺めていた単葉に向かって、促すように視線を向ける。
「重蔵は「殺すな」って言ってたんだろ?…だったら…犯してやる…綺麗事ばっかり並べるこいつを…汚して…。ねぇ
…単葉…でないとこいつを…殺しちまいそうなんだよ…」
 双葉の眼が妖しく光る。
「…それでお前の気が済むなら…」
 単葉の言葉に凛が体を固くする。
「ふふ…。怖いのかい…?いいねぇ…。どんな声で喘ぐのか…楽しみだ…。」
 単葉が凛の前にかがみこみ下肢に手を伸ばす。着物をたくし上げ、下着を乱暴に引き裂いて剥ぎ取る。固く閉じた
凛の脚を強引に開かせ、体を割り込ませる。
「い…や…!」
 凛は逃れようと身をよじるが、双葉に羽交い絞めにされる。
「じたばたするんじゃないよ…。」
 単葉の指が凛の薄い茂みをなぞり、花弁のような凛のそれを開かせる。含み笑いを漏らし、上目遣いに凛を見る。
怯えた様な凛の眼と視線が絡む。
「なるほど…これは…汚し甲斐がありそうだな…綺麗な紅だ…。」




 花芯に舌を這わせ、ワザと厭らしい音を立てて吸う。凛は顔を背け震える唇を噛んだ。耳元で双葉が意地悪く囁く。
「単葉に舐め回されて感じてるんだろ…?ほら…。」
 凛の乳房を揉み、薄桃色の突起を指でなぞる。
「ふ…うっ…」
 凛の唇から吐息が漏れる。
「はぁん…。こんな小さな胸でも…揉まれれば気持ちいのかい…?単葉…凛がもっとして欲しいって言ってるよ。」
「どれ…」
 花芯を舌でまさぐりながら、中指を奥まで一気に突き入れる。凛の温い肉壁が単葉の指に絡みつく。突き入れた指
を奥でくねらせる。
「ん…っ!…っ…ひっ…単葉ぁっ…やっ…変な事…しないでぇ…っ!あ…っ…」
 単葉の指が蠢く度、凛の喘ぎ声が激しくなる。乳房をまさぐる双葉の手を引き剥がそうと爪を立てる。
「何だ…。もう奥まで濡らしてるじゃないか…。初めての割に厭らしい身体してるな…凛…。ふ…重蔵が欲しがる訳だ
…。」
 凛の内側から指を引き抜く。単葉の指は凛の愛液で濡れていた。
「早く…凛を犯してよ…。指じゃなく…単葉のソレで…。」
 双葉が濡れた眼で単葉を睨み付ける。
「生憎こっちがまだなもんでね…。」
 単葉は立ち上がり、凛の顔の前に肉棒を突き出す。
「銜えろよ…。」
「嫌だ…!誰がそんなモノ…!!…あ…っ…!」
 顔を背けようとする凛の顎を双葉が掴む。
「今更何言ってんのさ…欲しくて欲しくて…たまらないんじゃないのかい?…ここに…さぁ…。」
 双葉の指が凛の花芯に挿入される。単葉の舌で嬲られ敏感になってる箇所を刺激され、堪え切れず喘ぎ声を漏ら
す。その凛の唇をこじ開け単葉の肉棒がねじ込まれる。
「噛むなよ…」
 凛の髪を掴み腰を前後させる。凛の舌の上で単葉の肉棒が脈打ち、固くなっていくのが判る。
「んぐ…っ…!んっ…!!」
 凛の肉壁が双葉の指を締め付けてくる。
「凛…こんなにヒクヒクして…あんた…単葉のモノ銜えて感じてるんだ…。」
 単葉が凛の口から肉棒を引き抜く。唾液に濡れたソレは挿入するのに十分な固さを持っていた。凛の脚を開かせ抱
えあげる。双葉の指が肉棒を迎え入れるよう、花弁を開かせる。
「指とは…訳が違うからな…。覚悟しろよ…。」
 ねっとりと濡れた花芯に肉棒の先端をあてがう。凛の中にゆっくりと単葉のモノが呑み込まれていく。唇を噛み、き
つく目を閉じている凛の横顔を見て双葉が嬉しそうに問いかける。
「どうだい…?初めて銜え込んだ男のモノ…」
 凛の目尻から涙が溢れた。双葉の舌がソレを舐め取る。


「う…っ…くぅ…っ…!」
 根元まで挿入された単葉のモノが凛の内側で熱く脈打つのが判る。ソレを追い出そうとするかのように凛の肉壁が
収縮する。肉棒が一気に引き抜かれる。
「ああああッッッ!!!!」
 凛の唇から悲鳴に近い喘ぎ声が漏れる。引き抜いた肉棒にはうっすらと血の紅が滲んでいた。双葉が満足げに笑
う。
「単葉…もっと…もっと凛を汚して…。」
 双葉の言葉を合図に単葉が再び凛を突き上げ激しく腰を動かす。肉棒が抜き差しされるたび、凛の中から血の混ざ
った愛液が卑猥な音を立てて溢れ出す。単葉の手が凛の乳房を乱暴に鷲掴みにする。薄桃色の突起を口に含み軽
く歯を立てる。
「あ…ひ…ぃっ…!いや…もぉ…やめてよぉ…こんな…こんな事…!!」
 拒絶の言葉など届く筈も無かった。凛の小振りな乳房を掴んでいた手が脇腹を辿り腰をなぞる。未だ幼さの残る尻
を撫で回し指先で割れ目を探る。滴る愛液が蕾までも濡らしていた。
「今止めていいのか?こんなにヒクついて…俺のモノ締め付けてる癖に…。」
 腰を引き寄せ、より深く凛の肉壁を抉る。
「は…っ…はぁ…んっ…」
 抑制の効かなくなった喘ぎ声が漏れ始める。戦闘のダメージで身体は動かないのに、単葉の肉棒を受け入れた箇
所だけが敏感に反応する。凛の腰がガクガク震え始める。
「ひと…はぁ…っ!も…ぉ…だめぇ…ゆるし…いぃ…っ…ひっ…あぁ…あああああ!!!」
 凛の身体が2度、3度痙攣する。荒い息を吐き、ぐったりと双葉にもたれかかる。湿った音を立てて肉棒が引き抜か
れる。凛の愛液で濡れそぼったソレは未だ十分な固さを保っていた。
「凛…自分だけ満足するなんて…ずるいよねぇ…?」
 髪を掴んで顔を上げさせる。凛の虚ろな眼に赤黒い肉棒が映る。力無く開いた唇にソレが押し込まれる。血の味
と、甘苦い愛液の味が口内に広がる。
「飲ませてやる…」
 舌の上で肉棒を前後させる。花芯を突き上げられた時のような湿った音が凛の頭の中に響く。
「…っ!」
 単葉の動きが止まる。同時に温い液体が凛の口中に解き放たれた。徐々に固さを失っていく肉棒が凛の口から引
き抜かれる。
「まだ…飲むな…見せろ…」
 凛の顎を掴み口を開けさせる。舌の上は単葉の放った精液で白く濁っていた。単葉の指が唇をなぞる。
「いいぞ…。飲め…」
 凛の喉が上下した。



 雲が流れ、月明かりが凛の白い肌を照らし出す。戦闘での傷跡と、単葉に弄ばれた傷跡とが痛々しく照らし出され
る。
『この次は必ず殺すから…』
 去り際に双葉の残した捨て台詞が耳に残る。血で汚れた太腿に涙がこぼれた。
「絶対…許さないから…」