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- A Word Beginning of “L” Side-B - |
触れた肌はどこもひやりと冷たく、乾いている。焼けて引き攣れた痕を残すところもまた、過ぎ去りし日のことなど忘れたかのように冷え切っている。ただ重ねた唇の奥の絡めた舌だけが内側に帯びた熱を伝えてくる。熱は闇雲に出口を求めて身を苛む。腕の中の肢体の僅かな緊張を今更のように彼は知る。彼女が今迄語らなかった事実を。 その手と、指と、唇と、舌とで、彼はゆっくりと彼方から此方へ誘おうとする。彼女を苛むものに出口を示そうとする。共に分かつことのできない傷みだからこそせめて、と、慎重に慎重を重ねて彼は彼女に触れる。その首筋に、鎖骨の隙間にできた窪みに、形良い胸とその頂に、そこから流れ落ちる滑らかな曲線を経て腰骨に至るまでの線に、それらを形作る二種類の肌の分け隔てなく彼は触れる。そして同じ線を辿り首筋から顎の先へ、頬へ口付ける。眉根を寄せ浅く息を吐く彼女の閉じた右の目蓋に、そっと慰めるように唇を落とす。淡い色をした睫毛が小さく戦慄くのを、彼は見下ろす。 ――――そして 一瞬、身を強張らせた後、吐息が、彼女の少し開いた唇から漏れた。細く長く甘く。 緊張が解かれると彼の掌の下に初めて彼女の体温が宿った。 彼女の肌の温度差に彼は気付く。赤く引き攣れて蛇のように彼女の体を這うその部分は今火のように熱い。けれどそこから彼女の内に籠った熱は解放されない。対してまだ滑らかさを残す処に宿る熱は仄かで、戒めを解こうとはしない。彼は少し身を起して彼女の様子を窺う。忙しく上下する胸のその先に上気した彼女の顔が覗く。触れた頬は右側。やはり火のように熱い。額にようやく浮き出した汗に、貼り付いた彼女の前髪をそっと指で払う。触れた額はなぜか凍るほど冷たい。手の甲に睫毛の感触。手を退かすと、彼女の瞳がじっとこちらを見ている。熱に潤んでいるというのに眼差しもまた凍るほど冷たい。彼にではなく我にではなく誰にでもなく。じっと眼を見つめて、取り込んで呑み込んで、つと彼女の手が伸びる。触れた掌もまた冷たく濡れている。人差指で体の線を辿る。頬に触れ首筋を通り肩に触れて胸に至り、違わず心の臓の上で留まる。その仕草とは裏腹の無着色の瞳に、何故か まだざわめきを残すところへ、彼は自分自身をあてがう。すかさず彼女の体は反応を返すのに、彼女は目蓋ばかりか唇もきつく閉ざして、呼吸ごと声を押し殺す。そのままでは唇を噛み切ってしまう。彼は彼女に口付ける。ついばむような口付けを、何度も繰り返す。宥めるような口付けを、何度も何度も繰り返す。 初めにきつく寄せられた眉が解かれ、続いて唇の戒めが解ける。溜息のように吐かれた息の甘い色に彼は少し、安堵する。最後にもう一度ついばむような口付けを落とし、彼は一気に彼女の中へ分け入る。それに彼女は息をのんで、応える。裏腹に彼女の中は彼に絡み付き、その熱を伝える。それは彼女の鼓動をも伝えてきて、彼の頭まで焼き尽くそうとしている。彼女の両の足を彼のそれぞれの肩にかけ、一層体を密着させる。そして奥まで突き上げる。舞うように、彼女の体が跳ね上がる。そのしなりに彼は手を差し入れ、彼女の体を支える。初めは徐々に、やがてそれは強さを増して律動に変わる。漸く彼女の肌もしっとりとした感触を持ち始める。躊躇いがちに漏れていた声も今や滑らかに謳う。そして彼が自分自身を解き放った瞬間、また彼女は大きく目を見開き、どこか遠い虚空を見上げ、そのまま、彼の腕の中へ舞い降りた。 寝室に再び静寂が還ってくる。 漸く解放された熱は雨滴のように汗となって伝いおり、たちまちに体を冷やしていく。均衡を失って彼女は乱した呼吸をさらに見出し、むせて咳きこみ、咳きこみながら浅い息を整える。僅かの間、淡い光が淡い瞳に宿る。そしてこと切れるように意識が彼女の手を離れていく。静寂はその後を追って忍び込み、部屋を満たす。 さらに静寂。夜は暗く寝室の照明もまた暗く静寂もまた暗い。 彼は着衣を整え、彼女もまた彼の手によって冷たい汗を拭いとられ、ベッドに収められている。彼は立ち去りかけて迷い、立ち止まって、迷いながら煙草を取り出し、一本抜き出してまた迷い、火を点ける。火を点けた煙草を指に移し、視線を、落とす。白い煙が一筋真っ直ぐに立ち上がり、虚空で揺らめく。 |
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同士しきぶ様より頂きました♪軍曹×大尉エロ小説♪添付されてきたファイルが開けないという一風変わった焦らしプレイなぞも楽しませて頂きまして有難うございます。ガードの固い大尉を優しく優しく解いていく軍曹がたまりませんな。この新婚初夜ぶりがステキすぎ♪御馳走様でございます♪ |
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このSSUPした後に、他3作頂きましたので追記をば♪通しで読むとラヴ度がUP!!!軍曹…病人相手に…あぁ…♪たまらない♪朝まで一緒に居てあげれば良いのにもーっ!!←そんな所もたまりませんな。うひひ♪ |